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2024年07月25日(木)

組織活性化とは?活性化している組織の特長と具体的な取り組みを紹介

組織活性化とは?活性化している組織の特長と具体的な取り組みを紹介

暗くてギスギスとした雰囲気の組織よりも、社員が仕事に前向きに取り組んで、やり取りも活発な組織の方が望ましいのは言うまでもないでしょう。

組織活性化を考えるうえでは、組織風土は自然とできるのではなく、意図を持ちながら戦略的に形成するという観点が重要です。

ただし、組織活性化は漠然としすぎて、何を施策として取り組むべきなのか分からないという声も聞かれます。

本記事では、活性化している組織の特長や、活性化につながるアプローチ方法について解説します。

1.組織活性化とは

組織活性化とは、仕事のために構成されたチームの一員として、社員一人ひとりが目的に向かって、主体的に活動している状態です。

もう少し具体的に説明すると、チームメンバーが会社のビジョンや経営目標を理解し、その達成に向けて仕事に取り組んでいる状態といえます。

一人ひとりが主体的な姿勢になれば、周囲のメンバー間のコミュニケーションも活発になるでしょう。さらにお互いフォローし合いながら仕事に取り組める状態になると、おのずと仕事がスムーズに進むようになり、成果を生み出しやすくなります。

このように組織活性化は、組織の風土が良好化することはもちろん、会社の業績向上や事業成長につながりやすくなるのです。

2.活性化している組織の特長

さらに具体的に「組織が活性化している」状態の組織の特長について言及していきます。あくまで共通している特長となるため、適宜自社の組織状況と照らし合わせながらお読みいただければ幸いです。

経営ビジョンやミッションが社員に浸透している

組織活性化を目指すうえでは、社員全員に経営ビジョンやミッションが浸透している必要があります。

特に経営層と一般社員層の間でギャップが少なく、同じ目線で目的を共有できていることが重要です。

 

経営陣のビジョンと社員の目線が合っていない場合、会社が目指す目標の達成が難しくなります。

「会社として何を大切にしているのか」「社会にどのような貢献をしたいのか」などをしっかり社員に共有し浸透していれば、目指す目標に向かいやすくなるでしょう。

 

日々の仕事においても、社員一人ひとりが同じ経営ビジョンを認識していることで、認識の齟齬が起きにくくなります。仮にトラブルがあった際も「自社としてどのような対応をとるべきか」という判断基準の拠り所が揃うため、社員一丸で課題解決のアイデアを出し合えるはずです。

組織目標の達成に向けて社員が主体的

組織が活性化している状態であれば、社員が組織目標と自身の業務目標をリンクさせながら自発的な行動を起こしやすくなります。

トップダウン型の指揮命令系統だけに依存せず、社員一人ひとりが自律的に活動したり、社員同士が協働したりする組織づくりが実現できます。

組織が活性化していない場合、社員は自分の目標の範囲内での行動に留まりがちです。ややもすると、個人目標が達成できていれば、組織目標が未達成だとしても、何の問題意識も感じない可能性もあります。

社員間のコミュニケーションが活発

社員同士で円滑かつ活発なコミュニケーションが起きていることも、活性化している組織の特長です。

具体的には、「組織内での情報共有が頻繁になされている」「アイデア交換を積極的に行ええている」「失敗事例であってもノウハウとして共有されている」といった状態があげられます。

「シェアード・リーダーシップ」の考え方に代表されるように、環境変化が激しい現代ビジネス環境においては、社員一人ひとりが個性を発揮することは、組織活性化のひとつの目指す姿といえるでしょう。

社員育成のための風土がある

活性化している組織の多くは、社員が成長するような育成の風土が整っています。

組織内で社員を育てるためには、「この仕事で自分は成長できた」という根拠となる成功体験が必要となります。自分が学んだことや経験したことを伝授する組織文化が醸成されることで、組織的な育成の仕組みができていくのです。

育成風土があることで、新しく入社する人たちを現場で育てることができ、また育てる側もさらに成長できるような好循環が生まれます。

3.組織活性化するための2つの方向性

組織活性化のための具体的な施策をお伝えする前に、大きく2つのアプローチを紹介します。自社の場合はどちらのアプローチの優先順位が高いかを考えながらご一読ください。

ソフト的アプローチ

組織活性化は風土・文化的な側面も強いため、コミュニケーション促進のようなソフトのアプローチが重要となります。

ハーバード大学教授・エイミー・エドモンドソン氏が提唱した「心理的安全性」は組織活性化のためのソフト的アプローチの参考になるでしょう。

心理的安全性とは「チーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の思い」と定義されています。

心理的安全性を高めるためのポイントは「平等に発言機会を与える」「協力を重視した環境を作る」「ポジティブな受け止め方を心がける」「メンバー同士が交流する機会を作り出す」などです。

このような職場で実践できる地道な取り組みをすることが、組織活性化の一歩目といえるでしょう。

ハード的アプローチ

ソフト的なアプローチだけでは、社員や職場の自発性に委ねることになります。そのため、会社として組織活性化を狙うのであれば、ハード的アプローチも必要となります。

具体的には、人事制度の改定や社内システムの刷新などの仕組みによる取り組みが、ハードアプローチです。

たとえば人事評価制度の項目を、コミュニケーション促進やアイデア発信に寄せるなどがあげられます。または、定期的な部署間でのジョブローテーションの仕組み作りなども、組織活性化には効果があるでしょう。

ただし注意したいのが、単にハード的アプローチを導入するだけでは、狙った組織活性化の効果が起こらないという点です。

あくまでソフトアプローチによる社員間や組織間のコミュニケーションの素地があり、そのうえでハード的なアプローチを導入することで、さらに組織活性化が促進されるのです。

自社の組織活性化がある程度良好な状態であれば、ハード的アプローチはさらなる効果を生むという構造を忘れないようにしましょう。

4.組織活性化するための具体的な取り組み

ここからは、組織活性化を目指す際に参考になるような取り組みをいくつか紹介していきます。各社の状況や抱える課題によって、効果を発揮する取り組みは変わってくるため、適宜取り組みはアレンジすることが望ましいでしょう。

コミュニケーションツールを導入する

ITツールをはじめとしたコミュニケーションツールの導入は、組織活性化に効果を発揮しやすいでしょう。

たとえばチャットツールやプロジェクト管理ツールなどです。スピーディーに情報共有ができるようになり、伝聞による認識の違いや情報量の格差を防ぐことができるため、社員全員が一定の認識が揃ったうえで、コミュニケーションが取れるようになります。

仮にITリテラシーに不安がある社員がいたとしても、社員間のレクチャーの機会などで、やり取りが増える効果も期待できるかもしれません。

活性化のためのイベントの実施

組織活性化のために社内イベントを実施することも、比較的多くの企業で取り組んでいる施策です。

チーム単位、部門単位、全社単位などイベントの実施規模はさまざま考えられます。テーマも「企業ミッションの共有」などから「相互理解のための雑談」などまで、バラエティーがあるでしょう。

組織活性化目的でイベントを実施する際のポイントは、なるべく参加社員の主体性を促す設計にすることです。

一方的な説明会のような形式では、社員の参画意識が芽生えにくくなります。参加社員の発言機会を設けることで、イベントが組織活性化につながりやすくなります。

組織横断ができる施策の実施

マルチ担当制に代表されるように、組織横断で業務ができる施策も組織活性化効果が高まります。

元来、業務が属人化することはさまざまなリスクもあります。業務の平準化や社員のモチベーションを高めてもらうためにも、組織横断の業務の仕組みは有効です。

たとえば社員が複数部門を兼務することや、一つの業務にメイン担当・サブ担当のような複数の担当者を設置することが、マルチ担当制の代表例です。

 

組織横断の一歩先を行く組織活性化の仕組みとしては「在籍出向(在籍型出向) 」も注目の手段といえます。

自社に籍を残したまま、自社とはまったく異なる環境の他社で経験を積むことができるのが、在籍出向の特長です。いずれは自社に戻るため、期間限定で他社での文化や経験を自社に還元したいケースにはおすすめの手法でしょう。

 

実際にボルテックスの提供する在籍型出向サービス「Vターンシップ」を利用した企業様では、

「受け入れ先のポジションは部門を統括する立場で、今までより幅広い業務のマネジメントを経験し、出向しなければ得られなかったさまざまな気づきを得た」

「出向者がこれまでの経験からの情報提供や提案を行い、チームメンバーがそれらのノウハウを学ぶことができた」

といった効果を実感する声をいただいています。

 

出向者の実際の声はこちらからご覧いただくことも可能です。

【現代版武者修行】社員が在籍したまま他業種を経験できる”Vターンシップ”

面談機会を増やす

定期的なコミュニケーション機会として面談を活用することは、普段からスムーズに意思疎通ができる関係性をつくることにつながります。

上司とメンバーの信頼関係が築かれると、風通しがよい組織になりやすくなります。昨今主流となりつつある1on1ミーティングのようなライトな面談であれば、取り入れやすいのではないでしょうか。

また、部署や職種などの枠を超えた上長との面談=ナナメ面談を取り入れるのも活性化効果が高まります。直属の上司には話しにくい話題に触れやすかったり、相談先が増えたりする安心感も生まれたりします。

面談を通じて、会社のビジョンや目標に対する考え方、プライベートの悩みや不安など、幅広い範囲で話し合えるような関係性をつくることを目指しましょう。

5.組織活性化事例

最後に、実際に組織活性化を実現している事例を2つ紹介します。イベント開催によるソフト的アプローチをしている企業と、会社として仕組みを導入するハート的アプローチをしている企業を1社ずつピックアップしました。

ソフトウェアA社

ソフトウェアの開発と提供を手がけるA社は、元来社員個々人の価値観を大事にする働き方をポリシーに掲げ、さまざまな組織活性化施策を展開しています。

たとえば上司と部下で、月に一度の面談を推奨しています。先月・今月・中長期という項目に沿って部下に語ってもらったうえで、振り返りや今後の目標について話し合っています。

その他、お世話になった人に感謝を伝える催しや、リラックスした雰囲気の中まじめに仕事の話をする交流会など、イベント開催も盛んです。

IT業B社

ベンチャーIT企業のB社は「在籍出向」の仕組みを活用することで、組織活性化を実現した事例です。

もともとエンジニアが中心の人員構成で、営業職がいないことが課題でした。そこで期間限定の「在籍出向」の仕組みを活用し、金融コンサル業の企業からベテランの営業職社員を迎え入れることにしました。

出向者が来た結果、製品開発や内側に目線が行きがちな社員に、顧客目線など前向きな変化が芽生える効果があったそうです。

これまではパソコンと向き合ってばかりで会話が少なかった職場でも「あの顧客ニーズに応えるには、どんな機能が必要だと思う?」など、社員同士のコミュニケーションが活性化しました。

 

▶▶その他の「在籍出向」の事例を知りたい方はこちらもご覧ください。

6.まとめ

組織が活性化していないと、社員のモチベーション維持が難しくなり、組織目的も達成できません。前向きに仕事に向き合えない状況では、退職者が増えるリスクもあるでしょう。

組織活性化は大きなテーマですが、取り組めることは意外に身近な施策だったりします。組織的な活性化施策も重要ですが、各職場単位でできることを地道に取り入れると、より活性化効果が高まるでしょう。

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